うつ状態だったBさん*40代男性

1回目のカウンセリング

40歳の男性会社員Bさんは東京から大阪に転勤してきましたが、職場になじめず、早朝に目が覚め、つまらないことが頭に浮かび、医者からは軽いうつ状態と診断され、投薬を受けていました。しかし、なかなか効果が現れないので、困り果てて、私のところにカウンセリングに来られました。
東京ではバリバリと仕事ができていたのに、大阪に来てからは仕事の能力ががっくりと低下してしまったとのことでした。そこでBさんに課題として、今の職場でよい点はなにかを探す「良かった探し」を提案しました。そして、仕事の関係もあり、2~3週間に一度のカウンセリングに通ってもらうことになりました。

 

2回目のカウンセリング

今の職場のよい点が見えるようになり、調子がよくなっていました。そこで次の課題として、「一緒に仕事をしているが、気に入らないというアシスタントの女性の良さを見つけ、1日に1回ほめましょう」と提案しました。

 

3回目のカウンセリング

Bさんは「仕事がうまくはかどるようになりました。アシスタントも仕事をきちんとしてくれるようになりました。昼食の帰りに彼女に甘いケーキをお土産にもって帰り、彼女が仕事をしてくれたときは『ご苦労さま』とねぎらうようになり、冗談を言い合える仲になりました」と報告してくださいました。

 

4回目のカウンセリング

「自分の机の上もきちんと片づけられるようになりました。少し前までは東京の職場と比較して文句を言っていましたが、それをしないようになりました」と話してくださいました。

 

5回目のカウンセリング

「朝の通勤電車に乗っているときは、前日の良かったことを探し、職場の人たちに世話になっていることを考え、今日一日の計画を立てられるようになりました。
先日のゴルフでは自己最高のスコアを出しました」と楽しそうでした。

 

6回目のカウンセリング

「抗うつ薬の量が減りました。毎日ストレッチをして、身体を鍛えるようになりました。ゴルフのスコアも順調に向上しています。妻に対してもほめるようになり、私のことでイライラしがちだった妻も落ち着くようになりました」と報告してくださいました。
それから1ヵ月後の7回目のカウンセリングでは、「会社での仕事も家庭生活も順調です。」とのことでしたから、「これでカウンセリングを終了しましょう」と提案し、約3ヶ月で終結となりました。

 

まとめ

Bさんはカウンセリングの前は、以前の職場と比較して新しい職場を悪くとっていたのですが、カウンセリングによって視点が変わり、新しい職場の良い点を発見し、人間関係も良好になり、仕事もできるようになり、うつ状態が改善したといえるでしょう。そして、「良かった探し」は家族に対しても良い影響をもたらしたのは、うれしいことでした。