鬱病の特徴は?症状となりやすい人、周囲から見た特徴を解説します

鬱病の特徴は?症状となりやすい人
「最近元気が出ない…」「あの人、最近元気ないな」と感じることは、誰しもあることでしょう。そんな状態が続くと、鬱病の疑いを抱く人も少なくないはずです。

鬱病は心の病気というイメージがありますが、最近は「脳の病気」であることがわかってきています。原因は解明されていませんが、その症状には特徴があります。

この記事では、鬱病の特徴について解説します。症状や、なりやすい性格・考え方、周囲から見た特徴などを紹介します。自分が鬱病かもしれないと感じている、鬱病かもしれない家族・友人などがいる、そんな方はぜひお読みください。

鬱病の症状の特徴

鬱病の発症には、環境の変化などによるストレスや、個人の性格が関係していることがわかってきています。これらをきっかけとして、脳の働きがうまくいかなくなった状態が鬱病とされています。特徴は、精神的なものと身体的なものがあり、その症状により日常生活に支障をきたす場合、鬱病である可能性があります。

精神的な症状

鬱病と聞いて、多くの方が思い浮かべるのが精神的なものではないでしょうか。具体的には、以下のような特徴が挙げられます。

・不安、憂鬱、落ち着かない、イライラ、焦り
・気分が落ち込む…悲観的に考える、ぼんやりする、罪悪感、死にたい気持ち
・楽しいと思えない…これまで好きだったこともしたくない、やる気が出ない

身体的な症状

精神的につらいと体もつらくなるもので、鬱病の症状は身体にも表れます。しかし、精神的な自覚症状が気にならなくても、鬱病が原因で身体に異変が起こる場合もあります。具体的には、以下のような特徴があります。

・食欲の低下・増加、体重の変化
・不眠・過眠
・だるい、疲れやすい
・頭痛、肩こり、胃の不快感、腰痛
・便秘・下痢
・めまい

鬱病になりやすい人の特徴

鬱病を発症するきっかけは人それぞれですが、発症しやすい性格や性質があることがわかってきています。

性格

・几帳面・真面目
・完璧主義、自分に厳しい
・他人に気を遣う
・責任感が強い

上記の特徴のある人は、周囲からすると「しっかりした人」と捉えられ、自分自身もそれを自覚していることが多いです。長所ではありますが、知らず知らずのうちに自分に負担をかけていることがあります。そのため、こまめに息抜きやストレス解消をして、うまくリフレッシュすることが大切です。

考え方

鬱病や何かに失敗した場合、マイナス思考に陥りやすくなります。

「いつもこうだ」「何をやってもだめだ」と、自分を否定的にとらえたり、周囲に対して被害妄想を抱いたり、「どうせうまくいかない」と未来に対して否定的になったりします。

その結果、行動を起こすことができないため達成感が得られない、すべきことを先延ばしにしてしまい気分が落ち込む、周囲に助けを求められないなどの状況に陥り、その結果さらに自分や周囲や未来に対して否定的になる、という悪循環です。

これを解決するには、十分な休養を取って健康的な生活を送り、リラックスしたり楽しんだりする時間を確保するなど、基本的な生活習慣が大切です。

そのうえで、否定的にとらえていることが事実なのか思い込みなのかを客観的に判断し、思考パターンや行動を変えていくことが必要です。診察やカウンセリングを受けることで、時間をかけて見直していくことが大切です。

周りが気付く特徴

上記の性格の人は、周りからしっかりしていると思われたり、頼られたりすることが多いと思われます。

本人も、しっかりしなければならないという意識が強いので、「鬱病かも?」と思っても周りに相談したり、休みを取って受診したりしない傾向にあります。また、自分が鬱病かもしれないと思う暇もなく、忙しく過ごしている場合もあります。鬱病は自分では気づきにくい病気なのです。

そのため、周囲の人がその特徴に気づくことができれば、早期の受診ができ、重症化する前に治療を行うことができます。以下のような特徴があれば、それは鬱病のサインかもしれません。

・表情が暗い
・涙もろい
・口数が減った
・イライラしている
・遅刻・欠勤
・飲酒量が増えた

本人は気づいていない場合もあるため、具体的な事実や感じている変化を率直に伝えることが大切です。

しかし、自分は鬱病じゃないと頑なになる場合や、受診に抵抗がある場合でも、無理に受診させることは避けましょう。人間関係が悪化したり、信頼を失ったりすることになりかねません。

受診に抵抗感がある場合はその理由を聞いてみましょう。話にしっかりと耳を傾けることで、頑なな心もほぐれ、胸の内を話してくれるかもしれません。

まとめ

鬱病には特徴がありますが、血液検査やレントゲンのように、数字や形状などで明確に見えるもので診断する訳ではありません。自覚症状や現在の状況などを詳細に問診しなければ、鬱病とは断定できないのです。自分で鬱病かどうか判断するのは早計であるうえ、適切な治療も行えません。自覚症状や周囲からの指摘があれば、一度カウンセリングや診察を受けることをおすすめします。

「奈良こころの相談室」は、鬱病をはじめさまざまな悩みに関してカウンセリングを行っています。カウンセリングの結果、鬱病ではなかったとしても、気になることや不安な気持ちを吐き出してみることで、心や身体が軽くなることもあります。ぜひお気軽にお問い合わせください。