鬱病になった家族や友人との接し方。身近な方の心の問題に備えよう

鬱病になった家族や友人との接し方
身近な人物が鬱病になったとき、どうしていいかわからない方もいるでしょう。誰かが心の問題を抱えたときへの備えが重要です。とにかく話を聞いてあげ、相手をありのままに受け入れましょう。

鬱病は本人にとってデリケートな問題です。励ましたり行動を無理強いしたりしないように気をつけてください。今回は鬱病患者とのコミュニケーションを学びたい方のために、正しい接し方をまとめました。これを読めば誰かが心の問題を抱えたときに、正しい対応をとってあげられるでしょう。

鬱病になった身近な方との接し方

もし家族や友人など、身近な存在が鬱病になったときは、適切な接し方が大切です。とにかく話を聞いてあげたり、相手の状況をやさしく受け入れたりしましょう。このような正しい接し方が、相手のためになります。

とにかく話を聞いてあげよう

万が一身近な方が鬱病になったら、相手の話を聞いてあげる姿勢が重要です。鬱病患者は、ひとりで悩み事を抱えることがあります。相手の意思にまかせることで、言いづらい悩みを聞き出せるでしょう。

以上のように、悩みごとがあれば相談に乗るというスタンスが重要です。なるべく静かな場所で、相手が胸の内を明かすのを待ちましょう。話を聞いてくれる相手がいるだけで、鬱病患者は安心を覚えます。

心の悩みを聞くときは、常に受け身の姿勢が大切です。自分の意見を押しつけることなく、話を聞いてあげるだけというスタンスを守りましょう。

相手を受け入れる姿勢が大切

鬱病患者と接するときは、相手をありのまま受け入れましょう。心の病にかかると、自分一人では心の苦しみをコントロールできない状態になるからです。

以上から患者は、悲観的な言葉を発することもあるでしょう。「もうダメだ」「死にたい」と言う方もいます。

こうした悲観的な言葉に対して、「死ぬなんて言わないで」「ダメなことはない」などと否定する方もいますが、おすすめできません。「話を聞いてあげる」「どんなつらいことがあった?」などとやさしく声をかけてあげてください。このように心が辛い相手には、寄り添う姿勢が大切です。

温かく見守ってあげよう

患者が鬱病から立ち直るまでは、温かく見守ることが大切です。無理に励まさず、患者の気持ちに寄り添ってあげましょう。

鬱病の悩みに、頑張りたくても頑張れない状態があります。気軽に「頑張って」と声をかけるのは逆効果です。かえって患者を追い詰めるかもしれません。つらい気持ちにある患者に寄り添うには、時間をかけてでもやさしく見守りましょう。

鬱病患者と接するときの注意点3つ

鬱病患者と接するときは、次の注意点を守ってください。まずは励まさないことです。次に特定の行動の無理強いもしてはいけません。加えて鬱病のサインを知ることで、身近な方の異変に備えられるでしょう。他人のメンタルヘルスの問題に向き合えるように、コミュニケーションの注意点をまとめました。

励まさないこと

心がつらい方に対しては、無理に励まさないことが大切です。鬱病患者に対して、怠けていると思う方もいるでしょう。しかし実際に心の問題を抱えている方は、限界まで頑張っているという感情になる方がいます。したがって励ましの言葉をかけると、かえって自分を否定された気分になるのです。

以上から鬱病患者に、余分なプレッシャーをかけてはいけません。「もう少し」「応援している」という言葉は、口にしないようにしましょう。患者を追い詰めることで、症状が悪化するかもしれません。

鬱病患者は励まさずに、寄り添ってあげるというスタンスが大切です。

行動の無理強いも禁物

鬱病患者に対して、特定の行動の無理強いも控えましょう。心の病気は治るものですが、完治まで時間がかかります。どのように時間がかかっても、少しずつ治していこうという姿勢を守ってください。

鬱病の長期化にあせらないことが重要です。仕事への復帰や散歩など、行動をうながす言葉はかけないようにしましょう。本人が心の問題で、行動したくても踏み出せない状態だからです。相手の心の限界を考えたうえで、毎日そっと見守るように心がけましょう。

鬱病のサインを知っておく

身近な方が鬱病になったときの備えとして、そのサインを知っておきましょう。たとえ鬱病でなくても、気分の落ち込みやつらい気持ちを訴えてきたら、心が苦しい状態です。素直に耳を傾け、ありのままを受け入れてあげましょう。

鬱病が原因となる異常行動もあります。食欲低下や不眠、「死にたい」と訴えることなどが代表例です。こうしたサインが複数見られたら、鬱病の可能性を考えてください。心療内科の受診や、ホットラインへの相談が推奨されます。

鬱病のサインを知っておけば、身近な方の異変をすぐに察知できます。早期発見が事態の悪化を防ぐでしょう。

まとめ

鬱病のような心の問題は、誰に起きるかわかりません。以上に備えで、鬱病患者との接し方を覚えましょう。心の問題を抱えた方に正しく接すれば、相手が安心してくれるかもしれません。

鬱病患者に対しては、行動の無理強いや励ましは禁物です。相手の話を聞く姿勢を貫き、ありのまま受け入れましょう。やさしい気持ちで相手を見守ることが、身近な方の鬱病の解決につながります。

「奈良こころの相談室」では、35年間で1万人以上の相談を受けた三木潤子によるカウンセリングをしています。学校や仕事、家庭などさまざまな問題に対応しているので、思い悩んでいることがあればぜひご相談ください。遠方の方でも、電話によるカウンセリングが可能です。