不登校の原因は学校ばかりではない!子どもの心の声に耳を傾けよう

子どもの心の声に耳を傾けよう
不登校とは、学校に行っていない状態をいいます。文部科学省による定義によると、年間30日以上の欠席が目安になっており、病気や経済的な理由を除くとされています。

しかし、この定義も判断に難しいところがあります。それは、学校に行こうとするとお腹が痛くなる、頭が痛くなるなどの病気による休みもあるからです。病気に入るのか、入らないのかも難しいところでしょう。実際のところは、不登校の生徒は発表されている数よりも多いと思われます。今回は、不登校の原因について詳しく解説していきます。

不登校の原因にはどのようなものがある? 【学校が原因】

不登校の原因として真っ先に挙げられるのは、学校に何らかの問題がある場合です。この場合は本人も分かっており、保護者からするとそのような理由で?という場合もあるようです。子どもも一人ひとりストレス耐性が違っているので、子どもの気持ちに寄り添うようにしましょう。

いじめ

学校でいじめられている、無視をされていて話をしてくれる人がいない。このいじめ問題は古くからあったものであり、表面化しないだけで実際には相当な数になるといわれています。近年では子どもがスマートフォンを持つことによって、学校ではない場所でいじめがエスカレートしているケースもあります。スマートフォンが絡んだいじめになると、教師は気が付かないことがほとんどであり、難しい問題となっています。

無気力

無気力による不登校は不登校全体の30%を超えるとされており、コロナ禍においてさらに増えていると予想されています。環境の変化に付いていけない、学校、部活、塾などで体力面が着いていけない、将来に希望が持てずやる気そのものがないなど理由は多岐にわたります。

大人からすると、子どもというだけでも将来の可能性は無限に広がり、無気力とは縁遠い存在と思ってしまうのですが、多くの子どもが精神的に疲弊してしまっている現実があります。

学業不振

学校の勉強に着いていけないことで不登校になるケースもあります。勉強に着いていけないと、学校の大半の部分である授業が意味のないものとなってしまうため、自然と足が遠のいてしまうのでしょう。学業不振の場合は分からないところに戻って理解することにより、通学できるようになります。親やきょうだい、個別指導の塾を利用して学業での躓きを解決するようにしてください。

精神的な病気によるもの

不安感が強い、対人恐怖症がある場合は精神的な病気が関係している場合もあります。あまりにも症状が強い場合には専門医に相談してみるといいでしょう。

なんらかの原因があって、精神的な症状がひどくなるケースもあるので、病気と一括りにする前に原因が本当に見当たらないのかを判断するようにしてください。

発達障害

発達障害にも様々な種類がありますが、知的問題はなくても行動面などで問題があり、居場所を無くしてしまうケースがあります。一人だけ違う行動をしてしまう、まわりの人との人間関係が構築できないなど悩みの種類もそれぞれ違うようです。

学校やスクールカウンセラーとの連携が必要であり、状況に応じて他の施設に通うような解決策もあります。

不登校の原因にはどのようなものがある? 【家庭が原因】

不登校と家庭、学校だけに原因がない場合もあります。不登校の原因が家庭にある場合も多く、保護者はそれに気が付いておらず、原因は学校にあると思い込んでいることもあるようです。家庭が原因で不登校になる場合はどのような理由があるのでしょうか。

家庭環境の変化に気持ちが付いていけない

両親の離婚や再婚、死別など家庭内の大きな変化に子どもの心がついていけないことがあります。これらの変化には大人であっても大きなストレスが伴いますが、子どもはよりその傾向があるでしょう。

現在、離婚をすることは珍しいことではなくなりましたが、それが原因で子どもが不登校になるケースは現実としてあります。両親に離婚をして欲しくなかった場合や、離婚に伴い転校をする場合などです。また、再婚ではこれまで家族でなかった人と暮らすことになるので、どうしてもストレスが伴います。

死別については大人でも相当なストレスになり、仕事や家事をする気力がわかなくなるくらいです。人生経験の少ない子どもには相当なストレスといえます。

家庭内の不和によるもの

多くの家族はひとつくらい問題を抱えているものですが、そのなかでも、子どもに悪い影響を与えやすいのは、家庭内の不和です。

両親がいつもケンカをしていて上手くいっていない、ママが姑からいつも意地悪をされている、お兄ちゃんやお姉ちゃんと仲が悪いなど、家庭内の人間関係が上手くいっていないと、安らげる場所ではなくなります。

家庭に居場所がない、安らげないことは大人でも仕事のモチベーションを低下させたり、仕事をする気力をなくしたりしてしまいます。子どもは純粋でまっすぐなので、目の前で起きている状況をダイレクトに感じてしまいやすいです。無気力になり、学校には通っていても成績が急に落ちるようなこともあります。

まとめ

不登校の原因は学校だけではありません。学校にいけないのだから、学校に何か問題があるはずだと思い込まないようにし、保護者は広い視野で物事を把握するようにしましょう。とはいえ、保護者としては学校にいかないことは大きな悩みとなっていることも多いようです。

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