私たちには「忘れる力」がある

生きていれば、つらい出来事や嫌な思い出が1つや2つはあるものです。つらい出来事ばかりを思い出してしまうときは、「忘れる力」に注目してみてはいかがでしょうか。

忘れる力にもメリットはある

情報化社会において、覚えなければならないことは増えていく一方です。私たちは「忘れることは良くない」と考え、記憶することばかりにとらわれてしまいがちです。しかし「忘れる力」は、人間がもともと持っている生きるための能力なのです。悲しいことや苦しいことが立て続けに起きても、くじけずに生きる人がいます。どんな困難にも負けず、大きな成功を収める人がいます。このような人は、忘れる力も人一倍強いのではないでしょうか。嫌なことは早く忘れて、思い出しにくくする。それが忘れる力です。人生にマイナスな影響を与えることは、早く忘れてしまったほうが、新しい人生を歩むきっかけにもなります。忘れる力にも、大きなメリットがあるのです。

忘れる力を高めるには

忘れる力をアップさせるには、嫌な記憶をプラスの記憶にする方法があります。例えば、営業の仕事で失敗したとします。そこで、なぜ失敗したのかを振り返り、その経験を次に活かします。すると「失敗」という嫌な記憶は「学習」に変わり、プラスの形で記憶されるのです。学んだことを次に活かし、他の嫌な部分にはフタをしてしまう。失敗に強いといわれる人は、無意識のうちにこのプロセスを行っているのかもしれません。 また、意識的に新しいものにチャレンジしてみるのも手です。新しい記憶を脳にどんどん取り入れることで、過去の出来事は思い出しにくくなります。充実した人生を送るためにも、忘れる力をうまく活用しましょう。

忘れられない記憶もある

誰にでも、思い出したくない記憶はあるものです。考えても仕方がないとは分かっていても、どうしても思い出してしまうときがあります。「忘れられない」と思い悩んでしまう人も多いです。しかし、脳に強く記憶されたことは、忘れようと思ってもなかなか忘れられるものではありません。こころに残った深い傷を、完全に消し去ることは難しいと思います。「忘れなければならない」と自分に言い聞かせると、余計につらくなってしまいます。むしろ「忘れられなくていい」「たまには思い出したっていい」と考えたほうが、気持ちも楽になるのではないでしょうか。

 

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